おじんちょのよかった

過去のブログが閉鎖されたので、残しておきたい一部をこちらに転載しました。古い内容です。

問題解決能力があるか

ジェームズ三木が昔、こんなことを言っていた。(うろ覚えだが)

「本当に優秀な人とは、有名な大学を出たとか、テストで高い点が取れるとか

そんなんじゃないんです。

優れてるかどうかは、問題解決能力があるかないか、なんです。

この世の中、答えの出ない問題ばかりですよ。

そんな問題を、どうにか折り合いをつけて前へ進められる人間こそが

能力が高いといえるんです。」

この言葉を聞いた当時も納得してましたが、今となってはそのとぉーり!としか言えない。

わかりやすいのでは、
中東問題、温暖化問題、雇用、年金、沖縄米軍基地、少子高齢化、、、、、

個人レベルのことでも、
家族との関わり方、夢を持ち続けるかあきらめるか、告白すべきか、、、、

どれだって正解なんてないんです。

今、自分の身近には、世間では優秀と評される東大卒、京大卒の人が多いけど、
残念ながら問題解決能力はありません。IQ高いくせに何やってんの?

正直者がバカを見る世の中だからこそ

高校の時の体育の先生ですが、この先生のことは名前も覚えていないし特に印象にも残っていないんですが、座学の授業で生徒に向かって言ってくれたことばだけは、ずっと焼きついてます。

「正直者がバカを見る世の中ってのはホントです。

だからこそ、少なくとも自分は正直者を評価したいし、賞賛したい。

どんなことがあっても自分はこれからもそうしていくつもりだ。」

いろんな先生から、お前はクソ真面目で融通が利かなくてダメだ、なんて言われてた自分にとって、とても勇気づけられることばでした。自分も正直者を見たら評価したいと心がけてます。これに類することばは、以前お世話になっていた高齢男性の方も、おっしゃっていました。

「日本人は元来、生真面目で勤勉な国民なはず。

なのに最近の若者はそうじゃなくなってる。

日本人のいいところを失ってどうするんだ。」

ほんとにちょっとしたささいなことばでも、自分をささえてくれる。こんなことばをかけられる人になりたいな。

批判ばかりされた子どもは

当時の皇太子が子育てについて語った内容です。

つい最近、ある詩に出会いました。それはドロシー・ロー・ノルトというアメリカの家庭教育学者の作った「子供」という詩で、スウェーデンの中学校の社会科の教科書に収録されております。

批判ばかりされた 子どもは

   非難することを おぼえる

殴られて大きくなった 子どもは

   力にたよることを おぼえる

笑いものにされた 子どもは

   ものを言わずにいることを おぼえる

皮肉にさらされた 子どもは

   鈍い良心の もちぬしとなる

しかし、激励をうけた 子どもは

   自信をおぼえる

寛容にであった 子どもは

   忍耐を おぼえる

賞賛をうけた 子どもは

   評価することを おぼえる

フェアプレーを経験した 子どもは

   公正を おぼえる

友情を知る 子どもは

   親切を おぼえる

安心を経験した 子どもは

   信頼を おぼえる

可愛がられ 抱きしめられた 子どもは

   世界中の愛情を 感じとることを おぼえる

(「あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書」アーネ・リンドクウィスト、ヤン・ウェステル著/川上邦夫訳)

子供を持ってつくづく感じますが、この詩は、人と人との結びつきの大切さ、人を愛することの大切さ、人への思いやりなど今の社会でともすれば忘れられがちな、しかし子供の成長過程で、とても大切な要素を見事に表現していると思います。非常にこの詩には私は感銘を受けました。家族というコミュニティーの最小の単位の中にあって、このようなことを自然に学んで行けると良いと思っています。

決定的な挫折というものを、自分は経験していない

柔道の山下泰宏さんのTVインタビューでのことばです。五輪で金メダルを取り、選手として成功し、その後指導者としても成功した人。その陰にはとてつもない努力があったんだろうと思います。でも、その人が自分のことをこう評価していました。

「結果的に私は選手としても、指導者としても成功した。

世間で言うエリートに属するのだろう。これまで、

自分なりに数々の挫折を乗り越えてきたつもりであるが、

恐らく多くの人が経験する決定的な挫折というものを、

自分は経験していないに違いない。

それは私の今後の人生にとって大きなマイナスであり、

きっとそのことで自分は壁にぶつかるだろう。

例えば、挫折して目標を失った若い人を目の前にしたとき、

どうやって導いたらいいか、途方に暮れてしまうだろう。」

山下さんは、またこんなことも言っています。

「欠点を克服することに一生懸命になる必要なない

のではないだろうか。長所を徹底的に伸ばすことで、

結果的に欠点はカバーされてしまうものなんですよね。」

なせばならないことだらけ

作家の曽野綾子さんのTVインタビューでのことばです。

「がんばれば夢が叶う」とか「なせばなる」とか

「いのちは地球より重い」なんてのは、違うんじゃないの。

世の中は、なせばならないことだらけ。

ひとりひとりは本当に無力で、小さな存在でしかない。

星座の中の1つの星のように。

その小さな存在を過大に評価することなく、

過小に評価することなく、埋没することなく、威張ることなく、

ささやかに自分の居を定めて、自分のできることをし、

自分の周りを見つめて楽しむ、それが人生の浪漫なのだ。